One Touch Freak

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トオルちゃん 023

目黒駅で改札に入る前に、できる早い女に電話をかけた。

『なに?』
久しぶりに蒲田に寄る必要のなくなったアフター5。彼女は明らかにこの電話を歓迎していない。

『お前が貸したカネの件、エンドウリョウコの件だよ』

『ああ、なになに、何かわかった?』
声色がほぼ180度かわる。
成果らしきものに対して、きちんとその見返りを提示するのは、現代人類が引き継いできた社会を維持するための法則。

『もう少し突っ込んで調べる必要があるわ』

『何それ? どういうこと?』

『お前がカネ貸したコって、モデルか、何かそんなのもしてた?』

『え、わかんないけど、やっててもおかしくないと思う。見た目イイから』

『パンプキンってデリヘル、モデル事務所だとかコンパニオン派遣だとかもやってるらしい』

『え、イイじゃん。稼げるじゃん』

『お前、ホントにカネだけだな。。。あのな、たぶん、しばらくデリヘルやらせながら様子見て、ころあい見計らいつつモデルだとかコンパニオンだとかの仕事ふってるんだけど、モデルだとかコンパニオンだとかの仕事ふりはじめた途端に、それまで周りにいた人達と連絡とれなくなってるってケースが多いみたいだわ』

『え、何で?』

『だから、それをつっこんで調べる必要があるって言ってんだよ。エンドウリョウコが見つからないと金も戻ってこないだろ?』

『えええ....』

『てことで、メールきてるし、今から行くからヨロシク』

『はあ....お酒飲んじゃったんだけど』
久しぶりに、部屋でアルコール片手にまったりしていた様だ。正直、すごくうらやましい。

『お前はいっさいハンドル握る必要ないからさあ。1時間で行くから』

『ちょっと、ホントにムリなんだけど....』
強引にケイタイを切ってから、しばらくしてもコールバックがこないということは早々に観念したようだ。
目黒から品川で乗り換える京浜東北線は、いつも乗り継ぎがスムーズで、程なくして蒲田に到着した。
駐車場に向かう前に駅構内の自販機で缶コーヒーを買っていると、ケイタイが鳴る。

『なんだよ、しばらく経ってからグズりはじめるなんて珍しいじゃん』
てっきり、できる早い女からの電話と思っていたが

『ああ、すまんね。娘が事故にあったみたいだ』
珍しく夜遅い時間に先生からの電話だったが、明らかにいつもと様子が違う
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  1. 2015/09/10(木) 01:06:33|
  2. ◆トオルちゃん
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トオルちゃん 022

目の前の彼女は 思いもよらない言葉に明らかに当惑している。

『絶対に誰にも言わないからさあ。それに、そんな事他人に言いふらしても 何もトクしないし』

『ホントに?』
きりかえは思ったよりも早かった。

『絶対!約束する』
もはや、”お手”、”おすわり” etcの如く

『タレント事務所っていうか、業界関係のコンパニオン派遣的なことやってるみたいだよ』
そう口にするや否や、手に握り締めた1万円札はソッコーで徴収されていった。

『業界関係って.... だよね、だよね。やっぱり そういうことしてるよねえ』

『レースクイーンとか、業界関係の仕事が多いみたいで、モデルとかタレントになるための人脈づくりには ちょうどイイかなあと思って』

『それって、やっぱり、同じ仕事してる友達なんかから聞いたの?』

『う~ん、まあ、そうかな。それに、ここ入る時も言われたし』

『なになに、何て言われたの?』

『え、だから、ウチはそういう仕事もしてるから、興味があったら仕事ふってあげるよって』

『だから、そういう仕事ふってもらうの待ちながら とりあえず本業(?)してんだ?』

『えええ、まあ、そんなところ』
女子・立身出世のカタチにも色々あるみたいだけど

『で、そのことを最初に教えてくれた友達は? いま、何してんの?』

『しらない』

『最後に会ったり、電話したのは、いつ頃?』

『3ヶ月くらい前かなあ。なんか、ケイタイかわったみたいで連絡とれなくなってるし』

おおかた、予想通りだったみたいだ。
  1. 2015/09/08(火) 09:54:42|
  2. ◆トオルちゃん
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トオルちゃん 021

『ををを....』

目の前でマジマジと見るとやっぱりルナに似てる。
まさに、コンビニの雑誌売り場の素通りする方でよく見かけるような感じだ。

『前払いなんで、先にお金もらえますか』

『ああ、はいはい。いくら?』
部屋の前までドライバーさんetcが一緒にきて料金だけ先にもらっていくシステムではないようだ。

『60分でイイですか?』

『はあ、じゃ、それで』

『25,000円です』
うちより少し高いみたいだが、諸々含めて文句は言えない。

『ていうか、ドライバーさんとかが部屋まで一緒に来たりしないの?』

『そういうの大丈夫なホテルしか使ってないから』

『ああ、そういうことなんだ。。。』
て、どういうことなのか。いまいちわかってない気もするが。

『お邪魔します』
彼女は、どこのブランドだか分からないけど、たぶんそれなりに高そうなバックに、何かいっぱい入ってそうな大きめの袋を持っている。

『はいどうぞ』

『シャワーかりてイイですか?』

『ああ、ていうか、いろいろお話しようと思ってただけだから。楽にしててよ』
場合によっては”勢いで”もあるかもしれないと思ってたが、案の定かなり疲れてるようだ。

『えっ?』

『ああ、だから、ここ来る前にどうしても我慢できなくてさぁ。エロビデオ見てきっちゃったんだわ』
つじつまを合わせる。
まれに(?) それなりにプライドを持ってる”職人気質”なコもいたりするので

『ホントですか?私もビデオ出てますよ』

『ああ、ホント...』
営業なのか、ただの話題の一環なのか。とにかく、ビデオに出たことがあるらしい。どちらにしろ、決っして聞きたい話ではないのだが。

『まあ、座ってよ。飲み物は午後ティーでいいよね?』
何故かこっちがもてなす立場になる。

『え、ていうか、ホントに何もしないでイイの?』

『元気になるまで小休止ね』
部屋の電気を真っ暗にして右手の人差し指を立て口にあてて ”シ~”
”大丈夫なホテル”ということは、ケースによっては色々と”大丈夫なホテル”じゃない可能性が低くないワケで。こういう時、”念には念を”にしておくのがトオルちゃんの心得である。

ココからの会話/やりとりは、ほぼボイスレスで

『いつ頃からここ、パンプキンで働いてんの?』

『えっと、2ヶ月くらい前からかなあ』

『じゃあさあ、このコ知ってる?』
スマホにダウンロードしておいたユナ/エンドウ リョウコの写真をおネーちゃんに見せてみた。

『う~ん、知らないかなぁ』

『そうかぁ.....。ていうかさあ、やっぱ、自分もモデルとかタレント目指してたりすんの?』

『するする。モデルなりたい』

『へェ~。あのさあ』
ポッケに入れといたハダカの一万円札を取り出し、目の前のギャルに布団の中で握りしめさせた。

『誰にも言わないから教えて。やっぱ、ここのデリヘルって、そういうタレント事務所っ的なことやってんの?』

『え、え.......』
  1. 2015/04/14(火) 10:33:22|
  2. ◆トオルちゃん
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トオルちゃん 020


”できる早い女の貸した金が返ってこない件”
大事な資金源:デリヘルのマネジメント上、非常に重要な問題である。
金を貸した女の子が働いてたという店の名前はパンプキン。
五反田~品川が主な営業エリアだったはずだ。
”ユナ”という名前で出ていた”エンドウ リョウコ”は既に辞めたことになっているらしく、もはや彼女(達)に直接会うことはできないが、とは言え、この店をあたる以外に何か手がかりがつかめそうな手段はなく、案の定、とりあえず客としてパンプキンに電話をしてみた。

『はい、お電話ありがとうございます。パンプキンです』
こないだと同じ男性が、こないだと同じハキハキした口調で電話に出た。この手の商売では、相手が切り出すまで自分の店名や業態は切り出さないのが通常なのだが。

『あ、すいません。ユナちゃんって、やっぱりもう会えないんですか?』
念のため一応聞いてみる。

『ああ、はい、すいません。ただ、他にもイイ子たくさんいますから』
とりあえず、同じ源氏名の使いまわしはまだされていないらしい。

『ああ、じゃあ、おまかせにしますんで、カワイイ子お願いします』

『ありがとうございます。どの辺りに行けばイイですか?』

『目黒あたりまで来てもらうことってできますかね?』
どこで何をしても最終的にオーナーの手から逃れることはできなそうだが、一応トオルちゃんなりに配慮した場所を選んだつもりらしい。

『はい、大丈夫ですよ』
1時間後に東口から電話をもらうことにしたので、スグさま待ち合わせに遅れないようトオルちゃんも目黒駅に向かうことにした。

蒲田から電車で目黒へ行くのだから随分久しぶりに山の手線に乗る事になる。京浜東北線に乗り、途中、品川で乗り換える時には心理的な何らかの事情もあり、何故だか小走りになってしまったりもしたが、自宅を出てから40分前後であっと言う間に目黒駅に着いた。

東口のロータリーを横目に1,2分程歩くとスグに目的のラブホテルに到着。この辺りの地理はまったくと言ってイイ程知らないながら、電話で応対した男の指示に従うだけで、後はむこうから到着の電話を待つだけとなった。

『あ、もしもし、ナカノさんですか?』
ほどなくしてケイタイの着信が鳴る。とりあえず、こういう時に使う偽名はナカノで統一している。電話ごしに聞こえるのは女の子の声だ。いまさっき入ったばかりのラブホテルの部屋番を教えると、数分もしないウチに部屋の入り口のドアをノックする音がした。

『ユミです』
ドアを開けると、見間違えてしまうくらいルナにそっくりの女の子が立っていた。
  1. 2015/03/15(日) 09:48:43|
  2. ◆トオルちゃん
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トオルちゃん 019


『ああ、もしもし』
電話の向こうの先生の声は、心なしか暗かった。

『お疲れ様です。あの~、預かってた帳票、今日明日までにはまとめられそうなので』

『ああ、ありがとう。それはそれでまたあらためてお願いするからねえ。電話したのは、、、』

『はい』

『例のブローカーの件なんだけどねえ』
先生が都議会議員をつれて話をしにいくのは今日だった。

『結局会えなかった』

『えっ?どうしてですか?』

『いやっ、分からない。場所、時間も約束通りだったんだけどねえ。。。今朝、確認の電話をしたばっかりだったんだよ。急に連絡が取れなくなっちゃて』

『ケイタイがつながらないんですか?』

『たぶん電源が入ってないと思うんだ。スグに留守番電話になってしまう』
つい最近、どっかで聞いた様な流れだ。。。

『議員さんは一緒に来てくれたんですか?』

『ああ。ただ、悪いことしちゃったよ、忙しいところわざわざ時間とってもらったのに』
彼が純粋に先生を助けようと思って動いてくれたのなら、おっしゃる通り先生はこの議員さんの貴重な時間を無にしてしまっているのだが。

『まあ、ブローカーとの話がどうであれ、君には色々、しとかなくちゃいけない話があるから。とにかく明日、よろしく頼むね』

『ああ...はい』
この状況の中、いつも明るく振舞っていた先生だったが、今日は息のつまった様な、少しだけ暗い声だった。

”ついさっきまで話をしていた人と、急に連絡が取れなくなる”
決してよくある話では無いのだろうけれど、何でここまで、しかも短期間の間に、自分にとってはワリとよくある話になってしまったのだろう。間違いなく放っておける問題ではないものの、じっくり考える時間もなく。おもての景色はあっという間に夕暮れ色にかわっていた。

『あ、もしもし』
電話のむこうは今日もランデブー予定のデキる早い女だ。

『しばらく、そっちの仕事休みたいんだけど』
日昼、OLをしているデキる早い女にとって、”そっちの仕事”とは夜のランデブーをともなうあの仕事。聞けば借金は返ってこないし、どこにいったかも分からないし、最近ぶっそうな事が多過ぎるとのこと。たしかに言ってることは間違いないのだが。。。息をつく暇もなく自分を正当化させる論理を並べ、気づいた頃には、デキる早い女は既に電話を切っていた。

『はいはいはい』
デキる早い女の借金回収の件、、、そう言えばパンプキンから何かがつかめそうなはずだった。
  1. 2015/03/05(木) 12:08:51|
  2. ◆トオルちゃん
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